CounterPoint Solid M2 修理記録
2023/8/20.持込   9/13完成 
A. 修理前の状況
  • カウンターポイント SOLID M2.不具合内容
    今、スピーカーのエッジ交換をお願いしているのですが、その業者さんからコ-ンが異常に前に出ている。
    アンプから直流が出ているかも?と言われ、DCオフセット測定。
    結果約2V出ていて、規格の10mVよりかなり大きい数値でした。
    また、よく考えてみるとアンプの電源SWを入れる時に、常にボンと言う音も出ていた記憶がある。
    スピーカー修理の業者さんからは、このままではスピーカーにまた不具合が出るからアンプを修理するように言われている。
    「***オフ新潟***リペアセンター」さんに問い合わせたところアンプの回路図が無い為できないとの事で困り果てております。
    中古品で購入して20数年使用この価格にしてはいい音で気に入っていて、今後も使い続けたいと思っています。
    そして出来る事なら購入価格の10万円程度で修理出来ないかと思っています。
    もし受けて頂けると言う事であれば、速攻で現品を持って行きたいと思っています。
    工房注記
    1.10万円程の修理費では通常修理です。通常修理 & オーバーホール修理 の違いは此方参照
    2.8Ω負荷の場合SP接続端子電圧と出力関係。
     SP接続端子電圧、 出力関係
        8V       8W
        1V       0.125W
      0.8V       0.08W
      100mV      1.25mW=0.00125W
       50mV      0.313mW

      2Vでは0.25Wと大きく無いが、この位の内に修理するのが理想です。
      この後、急激に増える可能性大。

B. 原因

C. 修理状況
  • 初段FET(電界効果トランジスター)交換、FET=Field effect transistor。
    RLバイアス半固定VR交換。
    大型を除く、電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)
    配線手直し、補強。
    不良TR(トランジスター)交換。
    1部フイルムコンデンサー交換・追加
    OP−AMP交換
    入力RCA端子交換
D. 使用部品
  • 初段FET(電界効果トランジスター) 2個。
    バイアス半固定VR          2個。
    電解コンデンサー         個 。
    フイルムコンデンサー      個。
    TR(トランジスター)    個。
    OP−AMP          2個
    テフロン絶縁RCA端子  1組2個。
E. 調整・測定

F. 修理費     125,000円    オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況


S. CounterPoint Solid M2 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A17. 点検中 上蓋を取り、上から見る。頭の膨れた電解コンデンサー。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中 右(A)側入出力端子。
A32. 点検中 左(B)側入出力端子。
A41. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A42. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A43. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A51. 点検中 3Pインレット取付。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理前 前パネル等を養生する。
C2. 修理中 右側(A)AMP引き出し線を固定ボルトが噛む。
C3. 修理中 右側(A)AMP引き出し線、光っている所が電線。
C4. 修理後 右側(A)AMP引き出し線、熱収縮チューブで絶縁。
C11. 修理前 R側アンプ基板。
C12. 修理中 R側アンプ基板。 頭の膨れた電解コンデンサー。
C13. 修理後 R側アンプ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バイアス調整用半固定VR1個交換
          OP−AMP1個、電解コンデンサー4個、TR(トランジスター)4個交換。
C14. 修理前 R側アンプ基板裏
C15. 修理(半田補正)後 R側アンプ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側アンプ基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 L側アンプ基板。
C22. 修理後 L側アンプ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バイアス調整用半固定VR1個交換
          OP−AMP1個、電解コンデンサー4個、TR(トランジスター)4個交換。
C23. 修理前 L側アンプ基板裏
C24. 修理(半田補正)後 L側アンプ基板裏 半田を全部やり直す。
C25. 完成L側アンプ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理後 電源基板。
C52. 修理前 電源基板裏
C53. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー4個追加。
C54. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C61. 修理前 右(A)側RCA端子入力端子。
C62. 修理(交換)後 右(A)側RCA端子入力端子。
C71. 修理前 左(B)側RCA端子入力端子。
C72. 修理(交換)後 左(B)側RCA端子入力端子。
CE1. 交換した部品。
CF1. 修理前 上から見る
CF2. 修理後 上から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低なります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、R側SP出力電圧39V=190W出力、 0.24%歪み。
            L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.237%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.169%歪み。
              L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.166%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.163歪み。
              L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.165%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.161%歪み。
             L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.162%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.181%歪み。
            L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.169%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.265%歪み。
              L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.231%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 20kHz入力、R側SP出力電圧40V=200W出力、 0.31%歪み。
              L側SP出力電圧40V=200W出力、 0.32%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E9. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 全体正面から見る。
S. CounterPoint Solid M2  の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 ハイブリッド・ステレオパワーアンプ
型式 ステレオパワーアンプ
定格出力 200W/ch(8Ω)
400W/ch(4Ω)
入力インピーダンス 100kΩ
歪率 0.2%(8Ω、1kHz、200W)
周波数特性 1Hz〜100kHz
SN比 93dB(10Hz〜20kHz)
ダンピングファクター 150(1kHz)
ゲイン 29.5dB
DCオフセット 10mV以下
信号極性 非反転
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 150W(アイドリング時)
外形寸法 幅483x高さ184x奥行470mm(最大)
重量 28kg
価格 ¥480,000(1994年頃)
                     solid-m2_1c
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